現在2018年12月11日21時10分である。
扉は、めくって、内容に、入ろう。
ブルバキは、扉を第1ページとして、ページを振っているので、第2ページは、洋書でよくあるように、奥付である。
私のフランス語版は、2006年版のようである。
参考までに書いておくと、私の日本語版は、
集合論1は、
1968年9月30日 第1刷発行
1984年10月15日 第5刷発行
となっている。
担当編集委員 前原昭二(まえはら しょうじ)
担当訳者 前原昭二
ところで、この訳者名に関しては、一悶着あったようなので、きちんと、書いておく。
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訳者あとがき
この訳書は《原論》の第一部門たる Théorie des Ensembles (集合論)の第一分冊の翻訳である.翻訳に際しては原書の第三版(1966年版)を用いた.
この原稿は,はじめ基礎論の専門家某君によって作られ,元来は,『集合論』要約と合わせ,彼を担当訳者として出版する予定で版を組んでいたいたのであるが,編集委員会との種々の関係において,現在の訳者名をもって世に出す事情となってしまった.したがって,もしこの翻訳が世に益するところありとすれば,その功は彼一人に帰せらるべきはもちろんであるが,校正の段階において私は私個人の趣味にしたがって十分に手を加えたので,この翻訳に対する最終責任はすべて私にある.
私事にわたって恐縮ではあるが,この突発的な仕事にたずさわった期間全般を通じ,不運にも私は公私にわたる繁忙のさなかにあった.本書の出版が予定より大幅に遅延した理由の多くはここにあり,上記のごとき決定をした編集委員会の責任もさることながら,本来不可能に近かった責務を軽々に引き受けた私の不明が最も責められねばならぬ.本訳書の出版を鶴首しておられたであろう読者に対し,ここに心より陳謝する次第である.さらには,かかる情況は出版社自身にも大いなる迷惑を与えたのであるが,それにもかかわらず,私の我儘を全面的に許容された東京図書編集部とくに編集部長大竹進氏の寛大さに,こんなことを言っては読者こそいい面の皮ではあるが,私としては感謝の意を表するほかはない.最後に,同編集部の桐村恭子嬢に私は最大級の謝辞を呈するものである.この訳書の出版に際し(集合論『要約』のときもそうであったが),遅々として進まぬ私の校正督促のため,四ヵ月もの長きにわたり連日各所に現われ,しかもなお私の劣悪なる校正の大半を浄書された彼女の労は多とすべきものであった.
担当編集委員 前原昭二
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これは、解説を、加えるまでもないが、37巻もの大シリーズになる『数学原論』の第1巻を、訳すのすら、こんなに困難を、窮めたのである。
ましてや、それを、何もないところから、書き起こした、ブルバキメンバーの苦労は、いかほどであったかと、思いやられる。
『ヒルベルトは、数学の基礎を、しっかりさせようと、号令をかけただけだったが、ブルバキは、本当にそれをやったんだ』
というブルバキのメンバーの述懐は、どれだけ褒められても、褒めすぎにはならないだろう。
それでは、少し、本文に入ろう。
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Mode d'emploi de ce traité
NOUVELLE ÉDITION
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訳すと、
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読者への注意
新版
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mode d'emploi (発音は、とてもカタカナで書けないほど難しいのだが)で、『使用法』という意味になる。
分解すると、mode が、『やり方』。d'emploi が、de という『~の』という前置詞と、emploi という『使うこと』という名詞の、エリズィヨンというフランス語独特の省略法でくっついたものである。
deは、『~の』、ce は、『この』、traité は、『概論』
あわせて、
『この概論の使う上でのやり方』
が、直訳である。
NOUVELLE ÉDITION は、もちろん、『新版』である。
以下の本で、フランス語を、勉強中である。
久松健一『ケータイ〈万能〉フランス語文法実践講義ノート』(駿河台出版社)
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今日は、タイトルだけだが、フランス語の原書と、日本語訳が、ほとんど同じなので、非常に、フランス語の勉強がし易い。
今後も、続けていこうと思う。
今日は、ここまで。
現在2018年12月11日23時00分である。おしまい。