ブルバキとランダウ

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数学原論(その25)

 現在2023年7月21日20時27分である。(この投稿は、ほぼ3536文字)

麻友「オッ、エラータもやって、ブルバキも」

若菜「お父さん。宣言しちゃったんですよね」

私「今日、ポートで、お茶会、というのがあって、10分くらい、時間をもらって、自分の病気のこととか、話したいことを、話す機会をもらったんだ」

結弦「それで、お父さんは、女の人に弱い、という話を、したりした後、『abc予想の混乱を収束させるのを、誰にでも分かるレヴェルで、証明したかったんですけど、とても、証明なんて、全然分からない人もいるようですから、全員に分かるっていうのは、無理ですね』と、控えめだけど、宣戦布告しちゃった」


麻友「太郎さんは、ブルバキが、読める程度の人、と、考えを変えたのかしら?」

私「ブルバキが、読める人、というのは、かなり敷居が高い。私は、『フーリエの冒険』を、楽しく読めるレヴェルの高校生くらいを、念頭に置きたい。だから、ヒッポの本も、再開するつもりだ」

結弦「どうして、その、ヒッポレヴェルに、拘るの?」

私「専門家に、説明するのでは、面白くないんだよ。いつものファインマンを、持ち出すが、ファインマンは、大学初年級の学生に、説明出来なかったら、そのことを、本当には、分かっていないのだと、思うことにしていたらしい。そして、あのファインマン物理学は、前半が、大学1年生、後半が、2年生向きの授業で、行われたものである。多くの人は、ファインマンは、ああいう授業を、毎年やっていたのだろうと、思っているだろうが、あれは、全部、1回きりの授業なのだ。ファインマン自身は、大学院で、大学院生を相手に、研究の指導をするのに、忙しく、講義を録音して、本にするという突飛な案が出て来たとき、大学院の先生達は、かなり困ったという。ところが、ファインマンに講義をやらせてみたら、ファインマンが、『この、面倒なところを、こんな風にして、僕は料理したよ』という見事なところもあり、むしろ、そっと教室に聞きに来ている、大学院の先生達を喜ばせることもあったという。また、ファインマンもそういう先生方に、『この方法は、どうだい』と、1年生が、到底分からない部分も、あったのだ。私は、物理学と違い、実験をしなくて良い数学なのだから、ヒッポの高校3年生(実際は、自分の高校3年生)くらいに納得させられるよう、普段証明を、書いている」

麻友「専門家相手だと、太郎さんが、面白くないのか。それは、それで、ひとつの理屈には、なっているわね」


私「このブログって、ある程度、役目を果たしているみたいで、『私って、こういう人間です』という、名刺みたいになってるみたい。それで、以前私に、映画『インターステラ-』というのを、教えてくれた人もいた。今日は、他の人から、ブルバキのフランス語訳しているところに来て、ゲーム『マインクラフト』というのが、面白いですよ。と、教わった。無料のゲームではないので、始めてはいないが、この世界を、ちょっとデフォルメした、広さ無限大の世界で、何をしても良いという、アンドロメダ姫の物語のゲームで、作ろうとしたゲームみたいなものが、もう出来上がっているのだなと、びっくりした。2013年頃から、流行っているというから、入院より前、麻友さんに会うより前だ」

若菜「口づてに、ゲームを教わるなんて、このネット社会では、レアものですよ」


麻友「おしゃべりだけにするの? ブルバキ始めるの?」

私「始めなきゃ、始まらないな。前にやったとこ、ほんのちょっとだけだけど、持ってこよう」



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 CHAPITRE Ⅰ
 第Ⅰ章

Description

de la mathématique formelle

形式的な数学の記述


§1.TERMES ET RELATIONS

訳本では、「対象式と関係式」、となっているが、最近の数学の用語の傾向で、「項と論理式」と訳す。

§1.項と論理式

 研究者注

 relations は、どの辞典を見ても(数学辞典でも)グーグル翻訳でも、‘関係’となっており、また日本語訳では、termes et relations を、‘対象式と関係式’と、訳しているが、文脈と論理学での使われ方から、‘項と論理式’と訳語をあてた。以後も terme (項),relation (論理式)とする。ただし2項関係に、relation を用いているときは、この限りではない。

 注終わり

1.Signes et assemblages

1.記号と集まり(記号と記号列)


Les signes d'une théorie mathématique {\mathscr{T}^{*)}} sont les suivants:

定冠詞 記号 冠詞(ある) 1つの理論 数学の {\mathscr{T}^{*)}} ようなものである。

(訳本)ある一つの数学的理論 {\mathscr{T}^{*)}} で用いる記号にはつぎの三種類のものがある:


*)Le sens de cette expression se précisera progressivement au cours de ce chapitre.

 意味 ~の この 表現 詳しく説明する 徐々に 流れ ~の この 章

(訳本)注*) この表現の意味は、この章の中で、次第に明らかとなる。



1゜論理記号{{}^{**)}}{\square,\ \tau,\ \vee,\ \neg}


注**)これらの記号の直観的な意味については、n゜3の注意を参照.

 研究者注 これは、今は、余り気にしなくて良い。


2゜Les lettres.

Nous entendons par là les lettres majuscules et minuscules latines, affectées d’accents. Ainsi, {A, A’, A’’,A’’’,\cdots ,} sont des lettres. A tout endroit du texte, il est possible d’introduire des lettres autres que celles qui figuraient dans les raisonnements antérieurs.


2゜文字.

 これは,ラテン文字の大文字・小文字,および,それらにいくつかのダッシュをつけたものを意味する.すなわち,{A,A’,A’’,A’’’,\cdots}等は文字である.そして,本文中のどんな所ででも,それまでの推理の中に用いられていなかった新しい文字を導入することが可能なのである.


3゜ Les signes spécifiques, qui dépendent de la théorie considérée.

  En théorie des Ensemble, nous n’utiliserons que les deux signes spécifiques:{=,~\in}

3゜特殊記号:これは問題としている個々の理論によって異なる.

集合論》では,われわれは {=} と、{\in} という二つの特殊記号だけを用いる.


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私「ここで、もうちょっと書こうとして、寝不足になる。取り敢えず、纏まっているので、今日はここまでで、止めよう」

麻友「最後のところは、訳本丸写ししたわね」

私「数学基礎概説のエラータが、もうすぐ終わる。1つやり遂げたことができたら、分量は圧倒的だが、ブルバキを目指したい」

若菜「それだけですか?」

私「『現代論理学』と『数学基礎概説』を用いて、ブルバキの方法と同値だが、もっと見通しの良い方法を、紹介したい。ゆっくりやれば、納得できることなんだ。それをやれば、ブルバキを信頼できるようになる。『数学原論』を、楽しめるようになるんだ」

麻友「そんなの、太郎さんだけよ」

若菜・結弦「じゃあ、今日は、お休みなさい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2023年7月22日0時38分である。おしまい。